【連載】トランプの自由貿易論【はじめに】 「自由貿易のために戦う」トランプ


「自由貿易のために戦う」トランプ

トランプの通商政策の方向性はどこにあるのか。

選挙期間中のTPP反対、そして公約に掲げた撤退表明が意味することはなにか。そして、本日(アメリカ時間11月22日18時)のトランプ発言「(TPPの)代わりに公平な2カ国間協定を取り決めていく」の行きつく先はどこにあるのか。

報道では、トランプは「保護主義」「孤立主義」といった解説が続いているので、深層を分析していこう。

結論からいえば、トランプの通商政策の方針は一貫して、「自由貿易」派である。

一連の演説や討論会での発言、公式SNSでの書き込み、公約集をみていきけば、すぐわかる。

選挙期間中、トランプは「私は自由貿易が好きだ」「100%、自由貿易論者だ」と繰り返し発言してきた。そして、自由貿易を実現するためには、「フェアな貿易協定」でなければならない、と訴えてきた。

(「トランプ氏が選挙中、自由貿易を否定する発言を繰り返した」(読売新聞11月10日付)とあるが、誤りだ。)

だから、トランプ氏が任命した「経済政策顧問14人」、「農業政策顧問65人」も当然、すべて自由貿易派である。

トランプが公約集に掲げる通商政策でも、「自由貿易のために戦う」と明言し、「そのことでアメリカ経済を再建する」と記してある。こうした主張の背景にあるトランプの通商ビジョンも公約に掲げてある。

「公平な貿易協定を取り決める」。

つまり、自由貿易に反対しているのではなく、その協定を不公平とみなしているから、反対しているのだ。

だからといって、保護主義や孤立主義を志向しているのではない。正反対で、他国の保護主義を批判しているのだ。

では、トランプが志向する自由貿易とは何なのか。TPPなど従来の通商協定のどこが不公平なのか。他国のどこが保護主義なのか。その先にある、日本への影響は。

順をおって解説していく。(2016年11月22日)