『週刊新潮11月24日号』に私が言っていないコメント(トランプのTPP等通商政策の今後について)が掲載されている件


 

週刊新潮11月24日号特集「トランプ大統領」25の疑問」(33頁)に対するて、電話コメント(11月14日)しましたが、私が言っていない発言が掲載されていました。

掲載前に、私のコメントについて、取材記者から確認のためメールで送られてきた原稿(11月15日)が下記の誤(掲載原稿)。そこに発言していない内容が含まれていたため、同日、私が書き直し、記者にメールで返信したのが正(11月15日の記者へのメール)以下の原稿です。

しかし、本日届いた掲載誌には、誤ったまままのコメントが載っており、それは私の見解と異なるため、ここに正しておきます。

コメント前の本文:

(前略)果たして、今国会でTPP決議をする意味はあるのか

「TPP反対で、トランプは保護貿易主義者のように見られていますが、現実には自由貿易主義者です」と指摘する。『TPPで日本は世界一の農業大国になる』の著書があるジャーナリストの浅川芳裕氏は、

「TPP反対で、トランプは保護貿易主義者のように見られていますが、現実には自由貿易主義者です」と指摘する。


コメント誤(掲載原稿):「その証拠に、任命した農業政策顧問65人の全員が自由貿易主義者でした。では、なぜTPPに反対しているかと言うと、アメリカの利益を最優先に考えているからです。現状、日本は農産物594品目のうち、424品目を関税撤廃の例外としている。トランプは日本をはじめとする参加国に一旦、撤退表明で揺さぶりをかけ、いずれTPP参加の条件として、アメリカに有利な条件を持ち出してくるはずです」

コメント正(11月15日の記者へのメール):「その証拠に、任命した農業政策顧問65人の全員が自由貿易主義者でした。なぜTPP撤退表明かといえば、アメリカにとってもっといい貿易条件を引き出すためです。現状、日本は農産物594品目のうち、424品目を関税撤廃の例外とする保護貿易国です。トランプは日本をはじめとする参加国に一旦、撤退表明でゆさぶりをかけ、再交渉条件、もしくは2カ国間交渉を持ち出してくる。このように取引の自由度を最大化するのがトランプの交渉術です


比較してもらうとわかると思うが、まったく違う。

私の論点は、「トランプが自由貿易主義者」であり、「日本が保護貿易国」であることが大前提。しかし、TPPの協定が日本の農産物の保護貿易を許す条件になっているから、トランプは自由貿易主義者、そして交渉巧者として「再交渉条件、もしくは2カ国間交渉を持ち出してくる」とコメントした。

その原因は、「アメリカに有利な条件を持ち出してくる」ことでも、「アメリカの利益を最優先に考えている」からでもなく、日本の農産物の自由化比率(=関税ゼロの自由貿易比率)が極めて低い(81%に対して、米国をはじめ他のTPP参加国11カ国はほぼ100%)ことにある。

つまり、トランプから「揺さぶり」をかけられる状況をつくったのは日本なのだ。

そうならないために、5年以上前の日本のTPP参加前から「農産物の自由化比率を高めること」の重要性、そしてTPP妥結後も「自由化比率が低い問題点」について、さらに「日本の自由貿易を否定する暴挙」について、再三指摘してきた。

日本の自由化度の低さはTPP参加以前の問題 (2011年02月28日)

日本政府の自由貿易を否定する暴挙について(2015年8月2日)

「なぜTPPは”たるんだ”協定になってしまったのか」国際交渉に勝利したという幻想(2015年12月01日)