「勝ち組」集結!トランプ政権完全解読 ⑦創業経営者、著名外科医を大臣にするトランプの「実業・人格」重視人事


⑦創業経営者、著名外科医を大臣にするトランプの「実業・人格」重視人事

公職経験のない民間からの登用は、ほかに数名いる。ファストフード大手「CKEレストランツ」の経営者アンディー・パズダー(66)を労働長官に、プロレス団体「WWE」の創業者で元CEOのリンダ・マクマホン(68)を中小企業庁長官に指名した。二人ともゼロから起業したサクセスストーリーの体現者である。トランプは個人事業主、中小企業に対しては、大企業向けとは違うきめ細やかな政策パッケージを公約にしている。複雑な納税のシンプル化など、ビジネスを阻害する官僚手続きの排除が中心だ。こうした政策を実行に移すには、その苦労を知る経験者でなければわからない。「政治の世界もビジネスの世界と変わりない」(スマイルズ)

なぜ神経外科医を住宅都市開発長官にしたのか

住宅都市開発長官には、共和党予備選でライバルだった世界的に有名な神経外科医ベン・カーソン(65)が就任する。その功績から「大統領自由勲章」を授与、「世界で最も賞賛に値する人物」に選ばれるなど、アメリカ医療・科学界の「レジェンド」の異名をもつ。ただ当然のことながら、医療と住宅は専門分野がまったく違うことから、選挙戦から撤退後トランプ支援に回った論功行賞的人事と批判されている。だが、これはちがう。

黒人や都市の貧困・犯罪問題は「‟黒人のアメリカ″のためのニュー・ディール」演説にあるように、トランプにとって優先課題のひとつだ。それを担うカーソンはトランプが選挙中、唯一その人格を高く評価した人物である。ほかの候補者に対して悪態をつく中、「とってもいいヤツ」と称賛した。同省は公共住宅など巨大な予算を持つ。支持層の低所得者向けに予算を増額したい民主党と自立を促すために縮小を求める共和党が真っ向から対立する官庁だ。そこで、人格者カーソンの出番である。貧困家庭で生まれ、公共住宅で育った経歴もある。そんな彼に両党が対立する問題を乗り越え、貧困問題の解決のあり方を託したのだ。