「勝ち組」集結!トランプ政権完全解読 ④外交は「敵国トップのお友達」人事で中露の懐に入る


④外交は「敵国トップのお友達」人事で中露の懐に入る

トランプ外交の中心人物はどんな面々なのか。

注目されるのが、レックス・ティラーソン(64)の国務長官就任だ。世界最大の石油会社エクソンモービルの会長兼CEOである。生え抜き社員から出世し、長期にわたる中東やロシアでの油田開発事業での実績から企業トップに上り詰めた。アメリカンドリームを体現」「不屈の闘志と豊富な経験があり、地政学を深く理解」とトランプが絶賛する人物だ。

ティラーソンが精通する中東において、膨れ上がった戦費を減らし、それを国内経済、とくにインフラ投資に回すというのがトランプの公約だ。アメリカにとって中東問題とは、石油問題であり、覇権を争うロシアとの問題だとするならば、双方に通じたティラーソンほどその解決の適任者はいない。

ティラーソンは、そのビジネス経歴からプーチン大統領に近く、友好勲章を授与されるなど、親ロシア的と批判的に報道されがちである。しかし、その近さこそ、交渉術上、トランプが指名した理由のひとつだ。ティラーソンにしても、私企業エクソンの株主に利益を還元しながら、同時にロシアにも利益をもたらしたことで交渉巧者プーチンから勲章を授かった手腕がある。今度はそれを公職の外交分野で、アメリカ国民の利益に還元する使命を帯びる。

交渉相手国トップとの近さは、トランプ外交の要になる中国大使人事でも同じだ。習近平国家主席を「旧友」と呼ぶアイオワ州知事テリー・ブランスタド(70)を起用した。習主席も旧友として「歓迎」の意を表明。二人は古く、農業州アイオワで米中の農産物取引の現場で知り合った中だ。すでに関係が近ければ、(中国に対して晩餐会などせず)「すぐにこれは、ビジネスの話だ」(トランプ)とタフな交渉を開始できる。