「勝ち組」集結!トランプ政権完全解読 ③通商・商務担当は〝勝ち組カルチャー‴全開の学界・財界・法界出身者


③通商・商務担当は〝勝ち組カルチャー‴全開の学界・財界・法界出身者

といっても、トランプの発想からいって勝ち組とはいえそうもない「学者・有識者」を重職に指名している。新設される「国家通商会議」議長になるカルフォニア大学教授ピーター・ナバロ(67)だ(選挙運動では「上級顧問))。しかし、彼の著作をみていけば、トランプと同じ「勝ち組」カルチャーの一員であることがすぐわかる。

ナバロの著書『いつも勝ち組!~乱高下する経済で自分の競争優位性を見つける~』(未邦訳)ひとつとっても、タイトルからして「勝ち組」全開だ。読者に対して、いかなる状況でもビジネスで勝つ姿勢を示す本である。代表作『来たる中国戦争~どう戦い、いかに勝てるか~』(邦題『チャイナ・ウォーズ』)でも同じだ。中国にどうやって勝つかの指南書であり、トランプの対中国政策のバイブルだ。トランプ政権の経済・通商政策の今後が読み解ける報告書「トランプの経済プランを評価する:貿易、規制、エネルギー政策の影響」(未邦訳)を執筆したのもナバロである。

同書の共著者で、商務長官に就任するウィルバー・ロス(79)はわかりやすい勝ち組だ。資産25億ドルは主要閣僚のなかでもトップ。投資家として、競争に「敗れた」ビジネスを再び「勝利」に導く、企業再生を得意としている。トランプはそんなロスをこれまで脚光を浴びてこなかった国内経済を司る商務省のトップに据え、「ビジネス感覚を政治に取り戻す」。そして公職経験がないながら、「ロス長官は新政権の通商政策の重要事項を定めるリーダーとなる」と謳う(同)。

通商政策の実務面では、2017年1月5日、米通商代表部(USTR)代表に弁護士のロバート・ライトハイザー(69)の起用を決めた。中国の〝不公正″貿易取引の実際に通じた弁護士として知られる。トランプは「悪い取引がアメリカ人を苦しめないよう、民間から戦ってきた人物」と評す。通商分野において、資産家に加え、貿易法務の勝ち組を指名するトランプは、閣僚選定に抜かりがない。